安東陽子 / YOKO ANDO

このテキスタイルは、「アート作品」というよりは、藤本壮介さんが設計した空間のコンクリート表面の仕上げとして考えました。コンクリートは空間の骨格としての存在感を強く主張します。とくに、この建物の内壁には様々なコンクリートの色味やテクスチャーが仕上げ材として用いられています。その表面にテキスタイルで膜を張ることで、建物とその中にいる人の間の親和性が高まることを期待しました。
また、高い天井のトップライトから降りてくる光を緩やかにロビーへと導くことを意識しました。滝のように光の粒がゆっくりと流れていくような様子を表現するための、おおらかな存在感をもつタペストリーを作りたいと思いました。
シルバーのレース素材に白い粒をプリントした後、特殊な縮み加工をかけたベースの生地をリボン状にして刺繍し、再構築しました。複雑な工程をいくつも経て、空間の強さをしなやかに柔らかく引き立てるテキスタイルができました。

 

安東陽子

Lightfalls

安東陽子
テキスタイルデザイナー・コーディネーター。東京生まれ。武蔵野美術大学短期大学部グラフィックデザイン科卒業。株式会社布での勤務を経て、2011年「安東陽子デザイン」設立。多くの建築家が設計する公共施設や個人住宅などにテキスタイルを提供。シアターカンパニー・アリカに衣装担当として参画。
近年の建築家との協働による主なテキスタイルの提供先として、台中国家歌劇院(伊東豊雄建 築設計事務所)、みんなの森 ぎふメディアコスモス(同)、西武特急Laview(妹島和世建築設計事務所)、京都市京セラ美術館(青木淳・西澤徹夫設計共同体)、石巻市複合文化施設まきあーとテラス(藤本壮介建築設計事務所)などがある。
著書「安東陽子|テキスタイル・空間・建築」(LIXIL 出版、2015年)。

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