藤本 壮介 / SOU FUJIMOTO
白井屋のプロジェクトは、2014年から6年半の時間をかけて、
めまぐるしく変化し、成長してきたプロジェクトだった。
最初に改修の本館に大きな吹き抜けを提案し、そこからコンセプトが膨らみ始めた。
床を解体し、時間を重ねてきた力強い既存躯体の柱梁が現れたとき、
この屋内広場のような大きな吹き抜けが、街の人と世界中からやってくる人が出会う場所になり、
様々なモノや活動を受け入れることができる予感を感じた。
プロジェクトが進むにつれて、実際に世界中のアーティスト、デザイナー、街の人々、
前橋市のまちづくりの活動が白井屋に関わっていくことになった。
新館の丘のアイディアも、計画中に前橋に移設された岡本太郎の太陽の鐘がきっかけとなって生まれている。
多様な人やモノ、活動を受け入れ、巻き込み、巻き込まれながら、
前橋の街とともに白井屋がこれからも変化し、成長していくことを願っている。
藤本 壮介|SOU FUJIMOTO









藤本壮介 : SPECIAL INTERVIEW 後編
藤本壮介 / Sou Fujimoto
建築家
1971年北海道生まれ。2000年藤本壮介建築設計事務所設立。第13回ベネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館の展示で金獅子賞(2012)。前橋市で2014年から「白井屋旅館」の再生プロジェクトに携わり、2018年に広瀬川河畔に移設された芸術家・岡本太郎氏の「太陽の鐘」の周辺整備デザインを担当。2025年大阪・関西万博の会場デザインプロデューサーに就任。