⼭之内 淡 I Tan Yamanouchi & AWGL

⼭之内 淡 I Tan Yamanouchi & AWGL

Anywhere Door

2025

建築家、⼭之内淡(やまのうちたん)による作品『Anywhere Door』は、⼭之内⾃⾝が思いをはせる世界の4 箇所に展 ⽰されています。2025 年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展期間中に開催されるEuropean Cultural Centre 主催 Time Space Existence への公式招聘を⽪切りに、インスタレーションがはじまりました。2025 年5 ⽉10 ⽇(⼟)から 2025年11⽉23 ⽇(⽇)までの198 ⽇間、「Urgency to Repair, Regenerate, and Reuse」をテーマに掲げた 2025 年度のTime Space Existence 公式招聘作品として、屋外会場であるMarinaressa Gardens(イタリア、ヴェネ チア)に展⽰されているほか、鎌倉の円覚寺、⽊更津のKURKKU FIELDS、そして⽩井屋ホテルに設置されています。⽇本 の⽂化と職⼈の誇るクラフトマンシップを伝える屋外建築インスタレーションでもあります。1 枚の扉を介して、鑑賞者が扉の向こ う側の⾃然や建築、⽂化的背景、そして⼈とのつながりを模索しています。

 

<展⽰場所>

マリナレッサ庭園 (イタリア、ヴェネチア)

臨済宗 ⼤本⼭ 円覚寺 (神奈川県鎌倉市)

KURKKU FIELDS (千葉県⽊更津市)

⽩井屋ホテル (群⾺県前橋市)

屋外建築インスタレーション《Anywhere Door(エニウェア・ドア)》。ドアの佇む背景には、空や⼤地や海や森が広がってい ます。「ドア」という、地球上の多くの⼈々が⽇常的に触れている⼩さな建築を、ランドスケープの中で美しく、同時に触れて楽し い作品として創造します。ドアを屋外に設置する表現を通して、具体的な情報・モノ・コトが光の速さで繋がる現代において、 繋がることそのものを否定することなく、繋がることの根源的な喜びを、⽬の前の⼤地や空はどこまでも繋がっている事実の中で、 鑑賞者に考えてもらうことを意図しています。 「ひとつの作品が、場所や⽂化によって全く違う⾒え⽅をする。」その反応の違い や重なりを意識的に織り込んだ中央集権的ではない分散型・ネットワーク型の作品でもあります。 『あなたと同じ、世界のどこかに。』⼈も⾃然も含めた“繋がり”への根源的な喜び/幸福を称える作品です。

⼭之内 淡

⼭之内 淡

1986 年⽣まれ。北海道札幌市出⾝。Tan Yamanouchi & AWGL(株式会社AWGL ⼀級建築⼠事務所)代表取締役兼代表建築家。慶應義 塾⼤学⼤学院修⼠課程修了。建築をつくって終わらせるのではなく、「建築家の⽴場から、建築を伝える⼒」を⾝につけることを⽬指し、株式会社博報堂に ⼊社。2018 年、建築家として活動を開始し鎌倉・東京・札幌を拠点とする建築設計事務所を設⽴。⽇本古来の思想 「⼈・モノ・動植物のすべてに神さま (魂)が宿る」という考え⽅に由来した独⾃の建築思想 “Architecture of Ghost” を基に、建築の種類を問わず、住宅・ホテル等宿泊施設・マンション改 修・店舗・オフィス・教会・展覧会等、多種多様な建築設計を⾏う。同時に、建築家の職能を拡張することを⽬指し、“More than an Architect” をビジョ ンに掲げ、建築設計・ブランディング・広告PR まで⼀気通貫して⾏う、新たな建築家としてのワークスタイルを具体的な実例を通して提案している。主な受賞 歴として、⽇本建築設計学会より【 Architects of the Year 2017 】を受賞。2022 年には、World Architecture Community の主宰する国際建 築賞【 WA Awards (cycle) 】受賞等。

 

 

Photo: Katsumasa Tanaka